眼記録

墓場夢子(眼)

みおすの話

バイト先に中川さんという女子高生の年下先輩がいる

中川さんは高1から働いてるから割と上の立場で(シフト表は上から4番目くらいに名前がある)けれど年上後輩たちにいつも敬語で、一生懸命で、機転が利いて、とてもかわいい

私はまだ1ヶ月の新人なんだけど、先週からここのバイトリーダーと付き合いはじめた

なんか周りから固めてきて押し切られた感じだった

中川さんにとって私の彼氏は数少ない先輩の1人だ

私と話すとき、彼は「中川さん」という

だけど彼女に対しては「みおす」と呼ぶ(中川さんの本名は中川美緒)

私はあまり  いい気が  しなかった

私と彼はなるべく同じシフトになるように休み希望を出した

その日は中川さんと3人でホールだった

その帰り道のこと

彼「みおす…中川さんかわいいよなぁ」

少しイラッとした。それは私の方が中川さんをかわいいと思っているからだと思う、気安く褒めないで

私「そんなに好きなら中川さんと付き合えばいいじゃん」

彼「おま、なに言ってんだよ、相手女子高生とか犯罪だろ、それにあんな可愛い子が彼女だったら、俺、心配すぎて、気が狂うわ」

私「そうね、安心して」

中川さんみたいな可愛くて頭良い子があなたなんか選ぶわけないじゃない

私たちは付き合っているのに残り物だ

自分の身の丈に折り合いつけてやっていくしかない

中川さんは言う、彼氏なんかいたことないですよーやめてください

中川さんは可愛い

私も中川さんのことは好きだ

私の方が中川さんを好きだ

けれど なぜ こんな男のせいで

私は中川さんを少し憎まなければいけないのだろう

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